不動産業界は、従来からほかの業界よりデジタル化が遅れていることが指摘されていました。
物件選びには長年の経験で養った知識と勘が必要で、そのため不動産に慣れていない個人投資家には失敗のリスクが高すぎて、なかなか手が出しづらい状況でした。
その状況を変えると予想されるのが、AI(人工知能)を駆使したビッグデータ解析とアルゴリズム分析を活用した「Real Estate Tech」という不動産投資分析サービスです。
アメリカではすでに広く活用されているこのサービスが日本にも普及すると、今後は個人投資家でも詳細な情報が手に入れやすくなり、収益の出る物件を探しやすくなるでしょう。
不動産業界では、不動産業者と顧客の間に大きな情報格差があります。
顧客が手に入れられる情報は限定的なものであることから、不動産業者のなかには自身に都合の良い契約ばかり顧客に勧めるという問題もありました。
不動産投資においても、個人投資家がさまざまな情報を分析して物件を選定することが難しい状況です。
不動産投資では、物件の立地条件、築年数、間取り、設備、周辺環境、利回りなどさまざまな情報を検討して、収益性を判断しなければなりません。
しかし、知識や経験が浅い初心者では、十分な情報も得られず、分析も甘いため、実際投資を始めると思うような結果を得られないということはよくあります。
それが、「Real Estate Tech」の広がりにより、個人投資家でも膨大な情報を詳細に分析し、収益性の高そうな物件を探すことが容易になるのです。
たとえば、2016年にリーウェイズ株式会社がリリースした「Gate.」という不動産取引プラットフォームは、同社が収集した4000万件にも上る不動産データをAIに分析させて、物件の将来的な収益を予測します。
キャッシュフローや表面利回りだけでなく、物件の将来的価値や全期間における利回りまで分析できるのが特徴です。数十年後の物件価値や家賃まで予測できるので、不動産投資の初心者でも長期的な視点で収益性の高い物件を見つけやすくなります。
「Real Estate Tech」のような不動産投資分析サービスが普及すると、不動産業界も情報の透明性が進むでしょう。
現在のデータベースは一都三県の中古マンションに限られており、まだまだ黎明期という状況ですが、膨大なデータベースシステムが登場し、AIがさらに進化する今後は、個人投資家でも収益の出やすい物件が探しやすくなると予想されます。
<スポンサードリンク>
不動産投資情報局